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【連載】『伝わらない』の壁

  • 執筆者の写真: 小保根亜美
    小保根亜美
  • 13 分前
  • 読了時間: 6分

ストレングスジャーナリストの小保根亜美です。


札幌は9月に入り、トンボがたくさん飛んでいたり、

朝晩のひんやりとした空気に秋を感じます。


今月のテーマは…『伝わらない』の壁


今月も2部構成となっております。

まずは前半をお楽しみください。



はじめに


人に何かを伝える時、思ったように伝わらないことがあります。

それは、仕事でも家庭でも、そして芸術でも。

今回の前半の記事では、久美さんが実際に直面した『伝わらない』という壁について

お伝えしていきます。



すぐやる人は4%しかいない


Q.今月はお話のテーマをいただいておりましたが、

まずは「すぐやる4%」でした。

こちらはどういった内容ですか?


A.そうそう、すぐやる4%ね。

以前、JAPAN EXPOの主催者の方にすごく近しい男性(Kさん)を

ある女性の友達から紹介していただいたのね。


今、海外の方とzoomで書道講座をしたり、

びっくりするくらいの価格で海外の方から欲しいと言ってもらえたり、

JAPAN EXPOにつながっていることもそうなんだけど、

そのきっかけはKさんなのね。


Kさんが、世界の情勢だったりも加味した上で、

『ホームページ全部英語にしたらどう?』とか、

『関吉さんの作品は外国の人に売れるから、そっちに向いた方がいいよ』って

言ってくれたことだったんだよね。それが昨年の年末だったの。


だから、言ってもらった通りにすぐやったのよ。


で、半年くらい経って「今、おかげさまでこうなりました、

ありがとうございます」って海外との繋がりが増えたことを伝えたの。


すると、本当にすごく喜んでくださって、

「うわー!そんなに嬉しいことはない!

同じようなことを、たくさんの方に伝えているけれど、

”すぐやる人は4%しかいない”。

言った通りにやりゃいいのに、ほとんどの人はやらない。

久美さんは、4%の1人だね。

なおかつ、その4%の中で継続できる人もさらに4%だから、

久美さん頑張って継続しましょう、僕もサポートします」と

言ってくれたのね。



Q.これ、先月久美さんがおっしゃってたことと全く同じ!


A.そう、それは私も実感してたから。

すごく共感して。


「それはもう、すぐやった久美さんの功績ですね。」

って言われたのね。


そう、それが、”すぐやる4%”って話。



認められてるんですよね


Q.「認められてるんですよね」というキーワードもありましたがこちらは?


A.私さ、「書道とは」ということを追求してさ、勉強するのが好きなの。


それで、勉強して納得して自分の作品に反映するんだけど、

それがすごく今、向学心っていうか、

学びに対する欲求がめちゃくちゃ深くて、

私はそれは気持ちがいいわけ。


うん、で、教室でも、

もう深いところを伝えたいっていう気持ちになっちゃってるわけさ。

それは客観視すると、ただの私のエゴかもしれないね。


生徒さんのことをある意味置き去りにしているというか、

もうとにかく私はこのディープな感じを伝えたいっていうエゴね。


だからすごくね、乖離を感じる。

うん。なんかこう伝わらなすぎて。


この間あみちゃんの記事にも出てきた中野北溟先生についても、

札幌の人だし、すごいリスペクトしてるし、

「彼の作品のこの線が好きなんだ〜」と私がもう熱を帯びて語るわけ。


そしたら、「これのどこが上手なんですか」って聞かれる。


実際口には出してないけど、きっと多くの生徒さんたちは

金子鷗亭先生とか中野北溟先生の作品の

「どこが上手いのかわからない…」と思ってると思うんだよね。


で、「これらの先生たちの作品は、世間から認められてるんですよね?」って。

「それはどうして?どこが??」って。


その人が言ってることは全部合ってるの。全部正しい。

だって上手かって言われたら、上手かどうかわかんないし。


っていうか、上手か上手じゃないか、じゃないんだよね。

上手く説明できないけど、私は、彼らの作品を見たら感動する。

感嘆する。ひれ伏す。笑


でも、「なぜ?」と問われても、説明できないし。

できないのは、私の未熟さもあるけど、

「できてしまってはおかしいよね」とも思うのさ。


でも、この質問があったから気づけたよね。

あー伝わってなかったわ、みたいなことが。


全然それはもう、私の反省っていうか。

もう勝手にエゴでいけると思ったけど、それは難しいってわかった。



挫折しないと諦められない


Q.あと、「挫折をしないと諦められない」というキーワードもありますね。


A.前回のこともちょっとつながりそうなんだけど、

挫折とか失敗とかを積み上げていないと、人って諦められないよね。


私の教室の作品の作り方として、大まかにAパターンとBパターンがあるとして、

Aパターンは近代書道で、Bパターンはゴリゴリの書道ね。


ある生徒さんが、自分が今好きだなーと思っている

Bパターンをやると言ってたんだけど、

やっぱりAもやりたいということになって。


私は数年彼女をみてるから、資質もわかってるわけですよ。

ピタッと真似する能力と、筆を丁寧に使う能力、

あとストイックに1つのことをずっとやり続けるっていう

能力があるって知ってるから、Bを勧めたけど、

やっぱりAもやりたい、と。


そうか、だったらやってみて、と。

失敗してからじゃないと、

Aを諦められないだろうなと思って。


私が言った通りにやったら近道なのは、私はわかってるけど、

それを教えても信じてもらえないのさ。

失敗とか、挫折とか後悔をしないと、諦められないんだろうなと思って。



Q.なんでそこを信じてくれないの?っていう気持ちがありますか?

なんで私がここまで言ってるのを信じてくれないの?というか。


A.うん、そうだね。

その気持ちは4割ぐらいで、あとの6割は別だわ。


書道をさ、どうしてわかってくれないんだろうって。

なんか、Aパターンの方が優れていて、

Bパターンが劣っていると捉えられているような印象でね。


Bの方が、正解があるから大変なの。

テクニック的にも、知識的にも。

そういうことも、伝えてるのにな〜とか、

私がめちゃくちゃ勝手に、みんなも知ってるもんだと思ってた。



さいごに


今回のインタビュー中、久美さんは何度となく

「難しい」と口にされていたことが印象的でした。


伝わらないことに対する葛藤を感じます。

ただ、その伝わらないという過程も誰のせいでもなく、

「伝わらない」からこそ、学びがある。


この葛藤の中で感じるのは、やはり芸術に対する、

そして書道に対するリスペクトの気持ち。

そして、生徒さんへの愛でした。


では、この”伝わらない”の壁をどのように超えていけるのか。

次回はアメリカ人画家との出会いをきっかけに浮かび上がった

『学び方』についてお届けします。


次回もぜひ、ご覧ください。

伝わらないの壁
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