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【連載】vol.10 日本での書道の人気の無さ

  • 執筆者の写真: 小保根亜美
    小保根亜美
  • 8月18日
  • 読了時間: 9分

更新日:9月22日

ストレングスジャーナリストの小保根亜美です。


7月の猛暑を乗り越え、涼しい日も出てきた北海道です。

ところにより、大雨の所もあるようですね。

みなさま、くれぐれもご安全にお過ごしくださいませ。

さて、本日も記事をお届けいたします。


今月のテーマは…日本での書道の人気の無さ


前回から引き続き、わたしからの問いかけとそれに対する

久美さんの答えをお届けしていきます。


今月は、盛りだくさんな内容となったため、

来週にも記事をお届けしてまいります。


まずは今月の第一段です。


はじめに


みなさんは書道にどのような印象を持っているだろうか?

そして、書道の作品をどこで観ることができるだろうか?


今回は彼女の会社の名前がどのようにして命名されたのか、

またその流れから、他の美術作品と書道との違いやなどについて深掘りをした。


そこからどうして、海外に目が向けられているのか、

その背景についても触れていく。


「フィンセント」の由来


Q.まず、会社の名前の由来を聞いてもいいですか?


A、あーーーーー。なるほど。

会社の名前もさ、自分の子どもの命名と似ているからさ、

画数で調べると大吉とかがわかるサイトで、すごい調べた。


登記の日も、縁起のいい日にちを聞いて、いい具合のタイミングで

10月25日と決めていた。


最初は、「筆」とか「書」とか漢字が入った字にしようと思ってたんだけど、

画数の良いものが全然なかったんだよね。


それと、今後どんな事業をしていくかわからないから、

定款も含めて、幅広くしていた方が楽ですよと言ってもらえたから、

芸術全般に枠を広げたのさ。


それで、私、ゴッホ好きだったの。

っていうのもね、中学校の美術の時間に名画を”模写”をしようという授業があった。


グリッド線を引いて、ピタッと模写をするっていう授業があってね、

鉛筆で書いてそのあと水彩絵の具で色を塗ったの。


私はその時ゴッホの自画像を選んだのよ。背景が水色グリーンみたいなやつ。

感覚的に「これ、好きだわー!」って思えて。

それが私、自分のこと天才だと思ったけど、ピタッと同じように書けたの。

美術の先生にも「すごいね、まんまじゃん」って褒めてもらえて。

「私もそう思います」って言えるくらい。

それで、そこからゴッホが気になり始めるじゃん。


ゴッホ展があれば札幌のも行ったし、東京のも行った。

映画も3本くらい見て、本も読んだ。

ゴッホの弟(テオ)の奥さんが書いた本も読んだ。


それもあって、会社名を決める時に

芸術で、カタカナで…考えていて

本棚にあったゴッホの本がたまたま目に入ってきて、

「あ〜あ〜あ〜いいかも」って感じで。


ただ、株式会社ゴッホはダサいから、フィンセントいいかもって。


それで慌ててスマホで画数とか調べたら、いいことしか書いてないから

いいじゃんこれで!となったの。


しかも、フィンセントって、ゴッホの名前だってことを知ってる人が、

10人いたら1人くらいってのもいいと思ったんだよね。


あとは、後付けだけど、ゴッホは生きてる時に何百枚と絵を描いたけど、

生きている間に売れたのはたった2枚だったの。


それからゴッホの死後、テオもテオの奥さんもなんとか売りたいと思っていたら

「いい絵あんじゃん!」って有名な人が買ってくれてから、広まったんだよね。


だから、フィンセント・ファン・ゴッホは生きてる間に売れなかったけど、

私はフィンセントになり変わって、生きてる間に売れるようにってつけました。



Q.もうフィンセント超えましたね


A、もう3枚以上売れたもんね。



芸術との関わり


Q.他にも芸術作品を見たりとかはあったのですか?


A、30代後半から40代の頃はすごい美術館とか行った。見た。


有名な美術館とかで、油絵とか水彩画とかを観て回ったときもあったわ。

いい気になって。


道外、あちこち行くたびに、美術館へ行った。


『なにか得られるものがあるんじゃないか』と思って。

行ってたけど、あんまりだね。


『あんまり』というのは、偉そうに聞こえちゃうけど、

違うものって感じだった。

わかるわけないじゃんね。


絵をみて、何かを吸収して活かそうなんて思ったけど、

吸収なんてできるわけないじゃん、烏滸がましいわって気づいた。


ただの鑑賞者として観に行くならいいけど、

そこから何かを学ぼうだの取り入れていくだの、できるわけないじゃん。


それは、絵画に対するリスペクトも含まれている。


書道に関しては、学ぶことができる。

私自身もやってるからね、知ってるし。


だけどね、絵は無理だって思った。

疲れちゃった。わかんなすぎる。


絵を展示している美術館だの博物館だのはあるけど、書はないじゃん。


『絵のどこが良いんだろう?何が良いの?色があるからですか?』

という気持ちもあった


そりゃ人は絵が好きだろうな、と思った。カラフルだもんね。ストーリーが浮かびやすい。


今は全然行かなくなったね美術館とか。

もう行かない。もうわかった。笑



Q.書道の作品で、常設展とかはありますか?


A、札幌在住で中野北溟さんという書道家がいらっしゃる。

その方の作品は、教育文化会館の2階スペースで

半年くらい前に常設展示を始めました〜って新聞やテレビに出てたけどね。


私からすると、『遅いわ〜!』って感じ。


札幌や北海道にまつわる有名な先生はめっちゃいるのに、

常設展示は今までなかった。


私の書道の師匠の師匠は、今の皇后陛下の書道の先生なの。

小川東洲先生といって、小和田雅子さんに教えてたの。


雅子様が皇后陛下になった時に、

皇后陛下が書道を習っていた先生が札幌にいますと

インタビューをされているテレビ番組があった。


そんな人の常設記念館がないってさ、ひどい話だよって思ったけど、

世間はそんなもんでしょって。


『これが絵だったら?』と思っちゃうわけ。

絵だったら、興味持って観たりするのでしょうけどね。


あとは、苗穂駅近くの厚生病院の石碑に書かれている文字も

小川東洲先生の字。

結構有名な看板があるんだけどね。


私の師匠(神坂昌江先生)が書道をやめちゃう時に、

東洲先生の書をいただいたの。


直筆の額に入った原画ね。

「もうあげるわ。大事にしといてね」って言われて受け取った。


でもさ、多分、この価値って万人にそんな知られてないし、

有名じゃないから、まぁまぁ大したことはないんでしょって、不貞腐れているよ。


札幌には、市立の美術館がない。

だから、飾ってもらう場所がない。

先生の宗派の展示会が毎年開かれてはいるけど、常設はない。


諦めと期待


Q.この辺りの目標はありますか…?


A、近代書道が生まれて、もう間もなく100年。

書道は中国語だから漢字だけだったけど、

日本人だから日本語も書こうってことで始まったのが近代書道。


もう100年も経つのにそんな状況だから、

もう無理だわって諦めてる。


知り合いで余市のワインを売ってる人がいるんだよね。

それもそうだけど、日本人には響かない。

外国人の方が反応がいい。


書道も、もう外国ですよねって話をしていた。

だから、もう日本人に期待はしていない。


京都の高島屋に作品出して販売してるでしょ?

それに関して、この前突然外国人からメッセージをもらったの。


なんだろと思って読んでみたら、

「今日作品を購入したよ」って連絡だった。


「ケープタウンの自宅に飾るのが楽しみ」って書いていて、

「もしかして南アフリカ?」と聞くと「そうだよ」と!!


「南アフリカに私の作品が届くのは初めてだから記念日です」と伝えた。


こういうこともあったし、もう海外だなと。

私の作品を好きだといってくれるのは外国の方なんだなと思った。


シドニーにも行くしね。

もう日本人は相手にしない。



Q.JAPAN EXPOに行ったことはありますか?


A、行ったことはないよ。

パリでの開催に出店しませんかと、何度かメールなど来ていたけど、

断ってた。


向こうも会社だからさ、出品料を稼ぐとかあるのだろうけど、

誰でも彼でも出店しているように思えて、

なんか大切に扱っていない感じがして、断ってきた。

パリってのも、なんか遠すぎるなって思ったし。


今回のシドニーに関しては、

主催者の方と、直接面と向かって、会って話せる機会があったんだよね。

それがよかった。


主催者の方を紹介してくださった方とお茶してる時に、

「出たら?」と言われ、

「本当に出る?」「あー出ます」っていう軽い流れだった。


その後、またしばらく経って会った時に

「そういえば出るっていってたよね?」と言われて

「出ます出ます〜」と言ったことで

申し込みまで渦に巻かれて進んでいった感じ。



Q.JAPAN EXPOでの楽しみは?


A、「これクールだね!」

「そうでしょ!私も最高にクールだと思ってるんだ!!」

というやりとりをしたいよね。

それができると思う。



Q.最高ですね!ちなみに、参加するのはどんな心境なんですか??

海外での出店とはいえ、大したことはないという感じですか?

来週東京行ってくるね〜くらいの感じに見えますが。笑


A、あーそんな感じだね。

場数だと思う。経験だね。

何かに期待して、ワクワクしてやってみたらそうでもなかった

という経験をごまんとしてきたから、もうわかってますって感じ。


大したことは起きない。

もちろん、ただの旅行じゃないから、経営のことは考えるけど。

「わーどうしよう!ワクワク!!」とかはないよ。


粛々と、旅費や出店費用をペイして、プラスアルファになるようにして

帰ってこれたらなという感じ。展示ではなく「販売会」というのも即決した理由のひとつです。



Q.周りの方にもあまり言ってない感じですか?


A、直接会った人と、流れがあれば話すけど、それくらい。

出店するだけなら、お金を出せば誰でもできるのさ。

何かを得たらね、行ってきました〜って報告するかもね。


お金を出せば簡単にできちゃうことを、

あたかも自分の実力かのようにやっちゃうことはダサいって思っちゃう。

『JAPAN EXPOに出店しました』って実績をお金で買いたければ

出したらいいと思う。

でも私には必要ないと思った。

お金を出せば誰でもできることを看板にするのはダサいと思っちゃう。




さいごに


久美さんの会社の命名も、JAPAN EXPOへの出店も

どちらも流れの中で起こっていることだと感じました。


どんなことが、未来につながっていくかはわからない。

たとえ、今これに意味があるのだろうかと思うことでも、

何も考えずに行っていることでも。


一つ一つの行動には、必ず意味がある。

そう信じて、今の行動を一つ一つ重ねていきたい

そんな気持ちになるインタビューの時間でした。


次回は、このインタビューの続きをお届けします!

このあと、この先の未来の話をする中で

とても興味深い、「金を使え」という話をしてくださいました。


そのお話は、また次回、来週お届けしますので

どうぞ楽しみにお待ちくださいませ。

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