【連載】vol.14 原点回帰
- 小保根亜美

- 10月20日
- 読了時間: 7分
ストレングスジャーナリストの小保根亜美です。
札幌は10月中旬。すでに平地でも雪が降るとの知らせもちらほら。
木々も綺麗に色づいてきて、季節の移り変わりを楽しめる時期になりましたね。
季節の変わり目、どうぞ皆さまご自愛くださいませ。
今月のテーマは…原点回帰
今月も2部構成となっております。
今月でこの連載も1年となりました。
まずは前半をお楽しみください。
はじめに
間もなく、オーストラリアでの出店を控えている久美さん。
このオーストラリアでのJAPAN EXPOへの出店が図らずも原点回帰となることについ最近気づかれました。久美さんにとっての原点とは。その原点に帰る上での葛藤とは。
今回も、久美さんの試行錯誤の頭の中を追っていきます。
作品の販売にこだわる
Q.今回のお話のテーマの一つが、会社の登記日とJAPAN EXPOの日程でしたね。
A.そうなのさ。
めちゃくちゃ最近気づいたんだけどね、会社の登記日、いわゆる会社の誕生日当日ね。
それが、JAPAN EXPOの当日だったのさ!
(え、すごい偶然!!)
それに伴って、会社の定款に書いている事業内容、
『この会社ではこういう事業をします』ってのも思い出したの。
その事業内容の1番目が、「作品の企画、制作、販売」。
どんなものが売れるかを企画して、つくって、売りましょうというのが一番。
私はこれをしたくて、会社にしたのさ。
2番目は、商売したい人に対して、コンサルをすること。
研修会したり、講習会したり、セミナーをしたり。
私が教室をするんじゃなくて、教室をする人を育てるってことね。
あとは、書いたものを売る方法を伝える。どうやったら売れるのか。
書道家を職業として確立したい。
それで、書道の教室は3番目。
本当はこれだったよねっていうのを思い出したのよ。
今回のJAPAN EXPOへの出店も、販売ができるから出店を決めたんだよね。
これが、展示だけだったら決めてないの。
そして、今流れ的に、こっちにきつつあることも思ったよ。
Q.そうだったんですね!
今は、書道教室が、一番時間もお金も労力も使ってますか?移動とかも含めて。
A.そう。
そして、このJAPAN EXPOへの出店の手続きの中で、売上の内訳も出したのね。
すると、講師業、つまり書道教室ね、それが一番だった。
次が、作品の販売。3番目が、筆などの物販ね。
それって、私の狙ってたところじゃないじゃんってことを、
数字で目の当たりにしたんだよね。
わかってたけど。
Q.今後、販売を1番にしたいということですよね?
そして、そのいい流れがきてますよね?
A.そう。だから、今はちょうど決算の時期というのもあって、
来年どうしようかと考えている。
どうしていくのか、決めなきゃいけないこともわかっている。
だけど、今はあえて保留にして、
JAPAN EXPOが終わって、11月から考えようと思ってる。
今はあえて決めない。
海外での販売に向けて
Q.まずはJAPAN EXPOが目前ですもんね。
本番に向けての準備はどうですか?
A.あのですね。個展の時もそうだけどさ、もう書道の作品を書くのは終わってんのさ。
作品を書くこと以外に時間を割きすぎていて、大変よ。
例えばさ、今もアメリカ人の画家さんとのZOOMを続けてるんだけどね、
彼女はたくさん質問してくれるわけ。
先日は、「久美が書く文字は、どのように選んでいるの?」と。
そこで私が答えたのは、
私は画家ではなくて、書道家だから、文字を書くんだということをまずは伝えてる。
主役は字なんだよね。
そして、往々にして誰かの俳句や短歌を書くことが多いよって。
なぜこれを選ぶかというと、きっとシドニーの人もあなたのように、
「なぜこの文字を書いているの?」って思うだろうから、
根拠をもって伝えられるように、百人一首を選んでるんだよって。
日本の伝統的な作品が100個あるから、そのうちのいくつかを選んでるんだと言えば
説明しやすいでしょ、と。
正直私は百人一首もカルタも、別に好きではないけどね。
ここまで伝えたら、彼女は「それはわかりやすいね」って言って
納得してくれたんだよね。
そしてさらにさ、きっと、どういう意味かも知りたいでしょ?
だから翻訳が必要。
でも、AI翻訳では作者の意図が伝わらないでしょ。
百人一首が別に好きでもないとはいえ、リスペクトはあるし、
作者の意図が伝わらないのは本意じゃないから、
きちんと書籍になっているもので、根拠のあるものを使っている。
だから、作品一つ一つに翻訳の紙を用意したりっていうさ、
書道以外のところの作業がなんせ多い。
そこに時間も労力もお金も使ってる。
販売のための試行錯誤
Q.具体的には他にどのような作業をしているのですか?
A.半紙に書いて、どう売るかってところがスタート。
半紙は大体B4サイズなの。
それで、ピッタリサイズのB4サイズの袋に、ボール紙を入れて
裏打ちをした作品と翻訳の紙を入れて、今ある分をパックしたの。
でもね、ふと考えたのさ。
”これ買った人、どうやって飾るんだろ?”って。
そこで、chatGPTにオーストラリアではA判・B判ってのは
日常的に使われているのかを聞いたら、
B判は今ほとんど使われてなくて、A判が主流だと返ってきたのさ。
だから、販売するならA判が親切かもねって。
日本で額に入れちゃったら、大きすぎて持っていけないから、
どうしたらいいかと考えてさ〜。
それなら、すぐにA判の額に入れられるサイズだったらいいかと思って。
一度パックしてしまったのもあるけど、全部また出して、
A4の額にすぐに入れられるようにミリ単位でサイズを測って枠をつけたり、
ボール紙に貼ったりってのをやるために、
また袋やらなんやら色々Amazonで発注して、試行錯誤してるのさ。
それがね、届いたから、これからまたやってみて、
うまくいくかを一つ一つね、手間と時間かけてやってみるよ…
っていうことに、脳みそを使ってるから疲れる!!
Q.久美さん、そのような作業をご自分でされるのはなぜですか?
A.今回のに関しては、初めての経験で、まだやってないからうまくいくかわかんない。
だから、誰かにお願いするってことができないんだよね。
まだどうなるかわからない。多分、失敗するとも思うし。
まだやり方が固まってない。
Q.そういうことを考える時も、全て1人でやってるのですか?
誰かと一緒にやりたいと思わないのですか?
A.うん、1人。誰かとやりたいとも思わない。
必要性も感じてない。
そして、たぶんね、聞く人がいないの。売ってる人がいないんだもん。
書道の作品を、バンバン流通にのせたり、オーストラリアで売ってる人もいない。
だからアドバイスを請う人がいないのさ。
自分で考えるしかない。
困ったことは人にお願いするよ。
例えばさっきのボール紙に関しては、私は素人じゃん?
紙のこととか、単位とかわかんないからさ、その道のプロに聞くことはあるよ。
答えがスパッと返ってくる人にね。
Q.わーなるほど。無駄がないですね。
A.そう。そしてね、こう大変だ〜とは言っているけど、やりたいことなの。
必要なこと。販売が目的だから。
これは、売れるためのサービス。
A判にした方がいいとか、袋は穴あきにした方がいいとか、
これはお客様のための工夫だからいいの。
書道家だけど、私は経営者でもあるから
書く時間が少なくなるのは当たり前だよね、とも思ってる。
営業にも時間もお金もかかるし、より良いサービス満足度のためにやっていること。
だから、この時間はいいの。必要な時間。
さいごに
この後に続く、私からの質問は、「どのような状態が理想なのですか?」でした。
その答えについては、また次回。
この理想の状態を伺ったところから、11月以降の久美さんの動きも見えてきました。
今一度原点に帰った久美さんが、今後挑戦していくこととは…。
次回の記事をお楽しみに。
ここで、関吉さん本人からのアンサーをご紹介します。
【関吉久美のアンサー】
今私はこれをシドニーに発つ2日前に書いています。
20年前に一年オーストラリアにワーホリで行って来て、帰って来てから私は180°考え方が変わりました。
なので、今回もきっと帰って来たらまた全然違う人になっているであろう、と自分で期待しています。
今回のこの記事を後で私が読んだら「なにをちゃんちゃら可笑しいこと言ってんだよー!笑」となることを、期待しています。





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